【徹底解説】防音室の値段は状況によって変わる!お客様に合わせて解決できる会社がベスト!
防音室の建築を検討する方にとって、最も気になるのはその「値段」ではないでしょうか。
防音のブースではなく、ゼロからオーダーメイドでつくる防音室は高いというイメージがあります。
しかし、リズムスターでは、使用する材料を工夫することで、コストダウンさせ高パフォーマンスのフルオーダー防音室を建築するのが特徴です。
また、お客さまのお悩みを解消する手段が必ずしも「防音室」であるとは限りませんので、不要なコストは抑えて最善の設計/施工することをモットーとしています。
※防音室の建築費用は、既存の建物の仕様などによって工事内容が大きく左右されます。
そのため物件ごとに費用に差があり、ご要望のヒアリングと現地調査後でしか厳密な見積もりは出せないことをご了承ください。
今回は実際の防音室の施工事例をもとに、皆さんの気になるなぜその「値段」になったのか、という理由となる主な工事内容を見ていきます。
ぜひ気になる方はご覧いただけますと幸いです!
防音室の値段を大解剖!
【1】はじめに…固体伝搬音はこれだけのエネルギー!
先に少し面白い映像をお見せしたいと思います。
そもそも “音”とは、振動として空気中・物体を伝わっていくものですが、特に物体を通る個体振動(固体伝搬音)は、想像以上に音を伝えます。
空気中を伝わる音よりも、物を伝う音のほうが大きく聞こえてしまうのです。
ここで、オルゴールを使った実験をしてみましょう。
テーブルに直置きした時と空中で鳴らした時、どちらが大きく聞こえるでしょうか?
…テーブルに置いた時のほうが、より音が鮮明に聞こえたと思います。
これはテーブルの上の携帯が振動した時にも起こる現象です。
個体振動(固体伝搬音)がどれだけ伝わっていくかお分かりいただけたのではないでしょうか。
これがすべての防音の課題であり、難しいポイントとなっています。
防音室の値段を大解剖!
【2】事例:千住田村屋様 ドラム防音室
防音室の種類 | ドラム防音室 |
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建物構造 | 築60年の木造 |
広さ | 4畳 |
工期 | 3~4週間 |
防音工事費用 | 約550万円(2014年当時) |
こちらは南千住にある、防音室があるホテル「千住田村屋」様の現場です。
築60年以上の歴史ある木造建築で、リノベーション時に新たにドラムも演奏可能な防音室をつくりました。
■千住田村屋様で行った防音室工事のポイント
①防音室の荷重に耐えられるよう、基礎をベタ基礎に補強。
②建物自体の防音効果を高めるため、壁と天井を補強。
③ドラム用の防音室のため、防音ドアを二重に設置。
④防音換気扇を設置。
工事の中でもとりわけ大きく予算確保が必要だった部分について、いくつか解説していきます。
防音室のため建物自体に補強工事を実施
本件で費用を要した主な理由は「建物の基礎」です。
現在主流のベタ基礎とは違い、千住田村屋様は“布基礎”でした。
布基礎とは、立ち上がっている部分のみで住宅を支え、建物を点で支える構造です。
床下を覗くと土がむき出しの状態となっています。
一方現在主流のベタ基礎は、コンクリートで地面を覆い、基礎立ち上がり部分と一体化させる工法です。ベタ基礎は面で重さを支える構造です。
面で荷重を支えるベタ基礎は沈みにくい・傾きにくいですが、布基礎は地盤沈下や傾きを引き起こす可能性がありました。
もちろん一般的な使い方であれば布基礎の建物でも問題ないのですが、防音室の工事となると話は異なります。
防音室は何tも重量のある設備ですので、基礎の耐久性が十分に発揮されないと防音室そのものが傾いてしまう恐れがあります。
さらに千住田村屋様は基礎部分に大谷石が使用されており、防音室増設で建物に負担がかかれば割れてしまうリスクも考えられました。
そこで、防音室の建築箇所には、基礎部分をガラスファイバーで補強し、さらにその部分のみコンクリートで固めベタ基礎にすることで強度アップを図りました。また、築年数が経過した歴史ある木造の建物は壁なども隙間が多く、大きな透過損失を得られないため壁と天井の補強も欠かせません。
ドラムの音まで遮断する防音室
千住田村屋様はドラム用の防音室をご希望でしたため、通常よりもいっそう防音に気を遣う必要がありました。
というのも、ドラムは打楽器かつ足で力強くペダルを踏むバスドラムがあり、叩く振動に加えエネルギーの大きな低音が発生する楽器です。
防振浮床で振動を絶縁することはもちろん、建物内部への音漏れを防ぐため「防音ドア」を二重に設置。そして換気扇は、市販されていない特注の防音換気扇を使用。
こうして築60年の木造建築でも、ドラムを存分に叩ける防音室となりました。
防音室の値段を大解剖!
【事例2】A様 アップライトピアノの防音設計
防音室の種類 | アップライトピアノ防音架台 |
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建物構造 | 鉄筋コンクリート |
広さ | 6畳 |
工期 | 2日~1週間 |
防音工事費用 | 約40万円(2015年当時) |
A様宅は、少し珍しいケースです。
5階建てマンションの1~3階を賃貸にし、4~5階をメゾネットでご自宅としているA様。
4階で弾いたピアノの音は3階から2階へと伝っていき、なんと1階の管理人室にまで届いていたのです。
特に苦情がなかったため、管理人室から相談されるまでA様は音漏れに気づかなかったとのこと。
下の階に住む方に迷惑をかけないようにと、ご依頼当初は防音室をお望みでした。
しかし、現地調査に伺ったところ、防音室以外の方法で防音対策ができると判断。
最低限の工夫でできる対策を試してみることになりました。
■A様宅で行った防音工事のポイント
①アップライトピアノを上階に移動。
②防音のための防振架台、および奏者用の台を制作。
防音のためピアノとの距離を物理的に離す
最初に行ったのが、ピアノを4階から5階に移動させること。
A様の演奏はとても穏やかで、音量も控え目だったため、防音室のような大規模な工事は必要ないと判断しました。
とはいえ4階ですと真下が賃貸のお部屋ですから、ピアノの音や振動が窓・床を伝い、下の階に届きやすい状態といえます。
そこで3階との距離を物理的に離し、音・振動の伝わりを最小限に抑えることにしたのです。
また、この時の設置の仕方にも工夫したポイントがあります。
アップライトピアノは響板が背面にあり、背中側から音が出る仕組みです。
つまりピアノの背を窓や壁面から離して設置することで、壁から伝わる個体振動を抑えました。
これらが、A様の防音対策で費用を抑えられた理由です。
防音室だけが全ての対策法ではない!「防音架台」という選択
残る課題は、床からの振動。
1階にまで音が届いていたということは、ピアノの個体振動が建物全体に響いていたということです。
ピアノを設置したのは5階で、居住者のいる3階とは距離が確保できていること、
また、A様の演奏の音量を考慮し、防振架台での対策をご提案しました。
合わせて高さを合わせるための奏者の椅子の下に置く台も制作。
防振はピアノの架台だけに施しましたが、これらの方法で見事、必要とされていた遮音性能はクリアしたのです!
3階からの苦情はなく、1階の管理人室にもピアノの音は全く聴こえなくなりました。
私たちの仕事は、必ずしも防音室を作ることだけではありません。
と、毎回お伝えしているのはこういうことなのです。
どのようにコストを抑え「目的」を達成するか。
あらゆる選択肢の中からお客さまにとってのベストを提案することが、私たち防音のプロとしての仕事だと考えています。
防音室の値段を大解剖!
【事例3】B様 マリンバ防音室の拡張
防音室の種類 | マリンバ防音室の拡張 |
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建物構造 | 鉄筋コンクリート |
広さ | 約12畳 |
工期 | 1ヶ月 |
防音工事費用 | 約400万円(2014年当時) |
B様宅の防音室は「拡張工事」に該当します。
隣のウォークインクローゼットを解体し、既存であった防音室を拡大したいというご要望です。
マリンバを2台並べてセッションできるようにしたい、生徒さんは4~5人招くこともある、という条件でした。
ご予算に限りがある中で、ご希望にどれだけ近づけられるか…。
リズムスターの腕の見せ所となるご依頼でした。
■B様宅で行った防音工事のポイント
①拡張工事のため、元々防音室だったお部屋を解体。
②解体で出た廃材・産業廃棄物の処理。
③新しい防音室は天井高を上回るため、抜き出た部分に防音壁を増設。
④お隣さんと隣接する壁は防音効果が高い素材を使用。
⑤マリンバ防音室のため、その他防音機構を強化。
⑥楽器+大人数の荷重を支えられる設計・素材を使用。
解体工事からスタート
B様の物件で予算を必要としたのは解体工事です。
まず既存の防音室を解体することからはじまりました。防音室の解体は、やはり一般的な内装の解体とは異なり手間を要します。
解体後に出た廃材や産業廃棄物をきちんと処分し、まっさらな状態にしてから新しい防音室建築に取り掛かります。
屋根裏に防音壁を増設
マンションの防音室工事ではよくあることなのですが、B様宅も屋根裏(天井裏)に防音壁を増設しています。
一般的なマンションでは、天井裏は空間が取られていて壁が存在しません。
隣の部屋との間で2段階で透過損失を確保するため、防音室の天井脇と隣の部屋との間に壁を増設しました。
誰に対して防音するのか
マリンバは大きさのある楽器のため、防音室でマリンバを2台演奏できるだけの空間を確保するのには知恵を絞りました。
廊下を狭めて空間を取れればそれほど難しい話ではありませんでしたが、マリンバを搬入搬出するために廊下も広さを確保しなければならなかったためです!
つまり居住空間に対し「外側(お隣)」との空間を狭め、防音室内の空間を確保する方法しか無かったのです。
そのような難題にも応えられる、遮音性能の高い素材を壁面に使用することで、お隣への音漏れもクリアしました!
防音だけでなく耐荷重にも考慮
マリンバは5オクターブの音が出せる大型の打楽器で、叩いた音は付帯する管で増幅される仕組みです。重量もあり、B様宅の防振架台は、耐荷重が通常より大きいことを想定して設計する必要がありました。
既存であった防音室にはピアノが設置されていましたが、そこにマリンバ2台、さらに人が4~5人分の耐荷重が防音室の床面に掛かることになります。
防振浮床は、耐荷重を緻密に算出し、適切な防振ゴムを選定します。適切な硬さの防振ゴムが使われていないと、浮床の性能を発揮できず、目的を果たさないものになってしまうのです。
B様とご相談を重ね、ご納得のいく形で防音室をお作りすることができました。
現在さらに防音室を拡張されたいとご相談いただいており、
リピートに繋がるほどご満足いただいています。
防音室の値段を大解剖!
【事例4】THE SHOJIMARU様 ライブハウスの防音設計
防音室の種類 | ライブハウス |
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建物構造 | 鉄筋コンクリート |
広さ | 約100㎡ |
工期 | 2ヶ月 |
防音工事費用 | 約900万円(2016年当時) |
マンションの地下にあるTHE SHOJIMARU様のライブハウスは、元々ライブバーだったお店をそのまま利用した居抜き物件でした。
契約後に発覚したのは…
ライブバーだった頃は音が店外に漏れ、近隣の方から度重なるクレームを受けていたという過去…。
THE SHOJIMARU様のライブハウスではアンプを通して爆音を響かせるロックでも、絶対に音漏れを防ぐ防音設計が求められました。
■THE SHOJIMARU様で行った防音工事のポイント
①大音量の音楽でも絶対に音漏れしない防音性能の確保。
②厨房のダクト・排煙窓・吸気ダクトからの音漏れを遮断。
③内部レイアウトの変更・防音性の強化。
④遮音天井を増設。
⑤空調裏側の防音性能の確保。
音漏れ最大の原因はダクト
ライブバーにはどうして何度も苦情がきていたのか。
その原因の1つは、厨房用のダクトでした。
軽食を提供するライブバーやライブハウスは、小さな厨房が備え付けられていますが、
この物件の場合、厨房から外に伸びる換気用のダクトが、なんと…まるでスピーカーのように音を室外にダダ漏れにしていたのです。
また、天井裏にはダンボールのくずが大量に残されていました。
ダンボールで音を止められるとでも思ったのでしょうか…。下記がそのときの写真です。「防音」を専門家に頼むべき理由とも言えます。見様見真似で音は止められないのです。それまでのライブバーのオーナーにも同情します…。
厨房の排気は必須条件ですが、ここから音も一緒に出ていくことになります。
それを「排気はするが音もれは最小限にする」という、相反する対策を施さなければなりません。
ダクト管を埋設する壁をより強化し、ダクト管そのものの性能を上げることで解決しました。
その他音漏れ要因をすべてシャットアウト
地上から階段を降り、ライブハウスの入口。
ガラス製の一枚ドアの内側にも、防音性能が高いドアを増設。
厨房との間に壁を設け、ダクトから逃げようとする音もさらに軽減。
天井は遮音天井にして、上階への音漏れを防ぎます。
さらに備え付けだったカセット型(天井に埋め込むタイプ)の空調は一度取り外し、”空調裏”にも防音対策を施しました。
これでTHE SHOJIMARU様の物件は、極限に音漏れを防いだ、安心して演奏できるライブハウスへと生まれ変わったのです!!
リズムスターが防音工事を手がけてしばらく経ちますが、今のところ騒音による苦情は受けていないとのことです♪
お客様の声にもご丁寧なありがたいメッセージを頂いておりますのでぜひご覧ください。
防音室の値段を大解剖!
【事例5】C様 オーディオルームの防音設計
防音室の種類 | オーディオルーム |
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建物構造 | 木造戸建 |
広さ | 8畳 |
工期 | 1ヶ月 |
防音工事費用 | 約400万円(2013年当時) |
C様宅は既存の住宅ではなく、新築の建設に合わせてオーディオルームを設計させていただきました。
建設中の建物の場合、私たちだけの仕事ではないため、ハウスメーカーとの連携も重要です。
入念なやり取りを重ね、C様にご満足いただけるオーディオルームが完成しました。
■C様宅で行った防音工事のポイント
①最高品質の音響設計。
②音響パネルの設置。
防音だけじゃない!残響時間を綿密に計算
C様は音響に非常にこだわりをお持ちの方で、オーディオルームの残響時間は「0.3秒」というリクエストもいただいておりました。
残響時間とは、音が発せられた後に響きが残る時間のことです。
お客様のほうからご指定されることはめずらしく、
「C様の目指す完璧なオーディオルームに仕上げねば」と、かなり気合を入れて臨んだことを覚えています。
ハウスメーカーとも相談し、天井から屋根までの小屋裏というスペースもオーディオルームとして使えるようにしてもらいました。
そのうえで防音や残響時間の計算をし、完成予想図のCGも作成してC様に見ていただくことに。
計算に計算を重ねた結果、
「私の想像よりはるかにクオリティの高いオーディオルームができそうですね!」とご承諾いただくことができました。
防音と音響が最高なオーディオルームが完成!
設計をもとに、防音パネルや音響パネル等を設置していき、C様宅のオーディオルームは完成しました。
C様宅の場合、オーディオルームは1人で音楽や映像を楽しむ場所であったため、
椅子に腰かけるその位置にどのように届くのかを計算し設計しています。
2階建の2階部分に設置した為、小屋裏も利用し、天井をかなり高くすることが出来たので、すばらしい音の広がりを感じることができました。
また人の耳は一定の音量以上だと疲れてしまうため、C様宅のオーディオルームは80~90デシベルまでの音量を想定し調整しました。
完成したオーディオルームを使用してもらうと、
「これまで体感したことのない、一番いい音だ」と喜びの声をお寄せいただきました。
跡から知ることになるのですが、本件のお客様は、物理の大学教授をされている方だったのです。
当然「音」についても非常に詳しく、そうした専門家の方にもご満足いただけるオーディオルームとなりとても嬉しく思っています。
防音室のご相談や、お値段の不安もお気軽にご相談ください。
―――リズムスターはお客様のご要望に寄り添い、最適な解決策をご提案いたします。
防音/騒音/音のことでお困りの方は、ぜひ私たちにご相談ください!
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