【自宅のドラム防音室】いつまでも家族一緒に音楽を、お子さんお孫さんと楽しむ
マンションやアパート、戸建て住宅、店舗、スタジオ、ライブハウスなどの防音室設計・施工を手掛けているリズム・スターです。
今回ご紹介するのは、新築の木造住宅にドラム防音室をつくった事例です。関東圏に住むA
様ご夫妻は、お子様が独立され、新たに二人でセカンドライフを送るにあたって、長年の夢だった「音楽をいつでも楽しめる環境」を実現されました。
構想から実現まで実にたくさんの困難がありましたが、お二人の熱意とリズムスター代表・田中の技術力によって一つひとつの壁を乗り越え、最終的には最高のドラム防音室が完成しました。
A様ご夫妻の、奥様が語る完成までの軌跡、どうか最後までお読みください。
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新築戸建てに憧れの「ドラム防音室」を実現!
【1】自宅にドラム防音室をつくった理由
奥様:夫と共に演奏を始めるきっかけになったのは、過去に夫が大病をしまして、その時に夫の友人が励ましに来てくれた時がきっかけで「バンドやってみよう!」と盛り上がって十年ほど前に結成したのが始まりでした。
それで友人3家族が集まって、それぞれ練習してはスタジオに集まってバンド活動をして、ライブバーで発表ライブなども数回やりました。
このころから自宅でドラム練習ができたらいいのになあとは考えたりもしました。
その後コロナ禍になり、スタジオに練習に行くのも、皆で集まることも難しくなって、自然と活動休止となりましたが、夫婦だけででもドラムやギター、ベース、キーボード、ボーカルをやるのは楽しく、ますます自宅に防音室があればなあ、と感じていました。
そんな頃に、息子たち家族は離れたところに住んでしましたが、私たちもそばに移住して、子育てのサポートをしようと、近くに家を建てることをちょうど検討していたところだったのです。
新築戸建てに憧れの「ドラム防音室」を実現!
【2】以前の家では演奏が近所に聞こえ気になっていた
こちらに引っ越す前も一軒家でしたが、防音設備などはもちろんありませんでした。
夫はもともと音楽好きで、学生時代からフォークソングに傾倒し、サックスやフルートなど様々な楽器をやっていました。
住んでいた家でも、電子ドラムを買って、キーボード、ベース、ギターと全部リビングに置いてその中で暮らしていたのです。
しかし、私がベースを練習していたりすると
「あらあ、演奏していたわね!」とご近所の方に好意を持っておっしゃっていただくのですが、外に聞こえてしまっていたのが気になっていました。
バンドの歌の練習をするにも壁に向かってダンボールを被って練習したり。(笑)
当時の家は、偶然近所に最高の防音設備を備えたレンタルスタジオがあったので、そこを使用することもありましたが、こちらに越してきたら少し離れたところにある地区センターのレンタルスタジオくらいしかなかったのです。
自宅に防音室があれば息子や孫とも一緒に音楽活動ができますし、子供たちが先々もこの家に遊びに来てくれる理由にもなるかなと期待も込めていました。
新築戸建てに憧れの「ドラム防音室」を実現!
【3】高額な見積もりに諦めかけていた…
防音室設計をやっている業者のリサーチから入りました。
今はインターネットがあるので、調べものをするには事欠かないですよね。
時間の許す限りあちこちの専門業者のHPを見て比較していきましたが、調べていくうちに2社に絞られていきました。
1社は、それこそ著名な音楽家の豪邸に防音室を施工しているようなところで、施工は文句なく素晴らしいのですが、お値段も素晴らしい(笑)。
それでも話だけは聞いてみようとコンタクトを取り、こちらの希望を伝えたところ「1,000万円なら可能です」とのお返事が。
これはかなりの予算オーバーだったので、諦めることにしました。
そこで、もう1社に相談したところ、500万円くらいでなんとかなりそうだったのですが、それにはいくつかの条件がありました。
まず、防音室の施工はスケルトン渡しで、仕上げの内装や設備工事はハウスメーカーでやってほしいとのことでした。
しかし、そうなるとハウスメーカーが仕上げ工事に入る前に防音室工事をやらねばならず、両者の工事は同時進行になります。
この方法に対してハウメーカーが難色を示し、「防音工事の会社が自分たちの下請けになるのであればいいよ」とのことで、結局2社目も1,000万円近くなってしまうことがわかったので、泣く泣く諦めることに。
もう自分たちの希望する予算内で自宅に防音室をつくることは無理があるのだろうかと思い、こうなったら地区センターの防音室に通うしかないと諦めかけていたときに、リズムスターさんの存在を知ったのです。
新築戸建てに憧れの「ドラム防音室」を実現!
【4】信用できるのか過去の施工物件に問合せ
もう運命としか言いようがないくらい、突然インターネット上に出てきたのです。3〜4ヶ月間検索をしていて、これまで一度も出てきたことがなかったのですが、突如として南千住の事例の記事が出てきてびっくりしました。木造住宅にドラム防音室というのは、まさに自分たちがやろうとしていることだったので、藁にもすがる思いで電話をしましたね。
とはいえ、この時点では「これまで散々探していたにもかかわらずヒットしなかったのはなぜだろう」「ちゃんとした会社なのだろうか」と、半信半疑ではありました。そこで、田中さんにお会いする前に、まずは南千住の物件を見に行ってみようと連絡を入れることに。
そうしたら、見学は難しいのですが宿泊ということでしたら歓迎ですよとのお返事が。平常時であればそれも可能だったかもしれませんが、ちょうどコロナ禍だったので宿泊は断念したのですが、電話でオーナーの方が自分たちのこと、防音室の取り組み、将来的なビジョンなど、熱い想いを次々と語ってくれたので、「ここは本物だな」と確信しました。今思うと失礼な話ですよね(笑)でもお陰様で安心できました。
新築戸建てに憧れの「ドラム防音室」を実現!
【5】依頼を決意した「決め手」
満を持して田中さんとお会いすることになりました。事務所にはあまりお客様が訪ねてこないということで、最初はズームを提案されたのですが、せっかくの機会なのでこちらから事務所に伺うことにしました。
事務所は……お世辞にも整頓されているとは言い難く、書類が山のように積み重なっていて、田中さんは汗だくになって仕事をしていました。その様子がこちらには良く見えて「ここはちゃんと仕事をしているところなんだ」と、逆に信頼してしまいましたね(笑)。
しかし、その時の直感は正しく、話を進めれば進めるほど田中さんが“本物”であることがわかってきます。
田中さんは防音室設計のプロではありますが、建築士の資格も持っていらっしゃるので、防音室を単体としてではなく全体との兼ね合いで考えています。
予算も含めてこちらの希望をすべてお伝えしましたが、それに対して実現可能なプランとして様々な提案をしてくれました。
起こり得る状況や、先々問題となってくる点なども田中さんは全てわかっている様子で、この人になら安心してお任せできると思い、依頼を決意しました。
新築戸建てに憧れの「ドラム防音室」を実現!
【6】コンクリート「湿式」での防音室は重すぎる!
今回のドラム防音室設計で課題だったのは、防音室の重さでした。
これまでに相談をした2社は防音室をコンクリートでつくるという提案だったので、防音室の重さで地盤沈下が起こることが懸念されていました。
ハウスメーカーの方は慎重なので、少しでもリスクのあることは回避したいというのもあったと思うのです。地盤の保証もしてもらっていますので。
私たちも「本当に家が傾いてきてしまったらどうしよう」と、だんだんと防音室をつくるのが怖くなってしまっていたのです。
ところが田中さんの提案はコンクリートを使わない施工だったので、霧が晴れるように懸念点がクリアになりました。どうやらコンクリートを使わずに、防振床や一般建材で透過損失を得ることで遮音性能を高める、というものらしく、その重量ならば木造住宅でも十分に耐え得るとのこと。それだけではなく家の基礎となる鉄筋の量を2倍にするなど、補強対策もしっかりとしていただいて、こちらの地元にあるハウスメーカーにも直接伺ってくださりいくつもの安心が重なりました。
とはいえ、全てが順調だったわけではなく、家をつくっている段階で資材の到着が遅れたり、台風や大雨で工事が中断したりと、引き渡しが当初の予定よりも大幅に遅れました。
防音室工事は家の引き渡しが終わってからだったので、遅れるたびに田中さんに連絡を入れたのですが、その度に「大丈夫ですよ」って何事もないように言うのです。
田中さんは自分でやっていらっしゃるから予定を組むのも自分次第ではあるのでしょうが、度重なる延期でも嫌な顔一つせず明るく対応してくださるので、なんて心の広い方なんだろうと感動しましたね。
たまたまヒットした1本の記事からのご縁でしたが、このように私たちの長年の夢を叶えていただいて、本当に感謝しています。
新築戸建てに憧れの「ドラム防音室」を実現!
【7】ついに完成!ドラム防音室を使用してみた感想
ドラム防音室ということで、かなりの遮音性能が必要だったかと思いますが、全く問題なく機能しています。コンクリートを使わずにここまできるのは、あらためてすごいなと思いました。
また、狭い防音室にはしたくないというのが私たちの希望だったのですが、完成した防音室は広さも確保できてよかったです。防音室の面積としては6畳くらいなのですが、床を低くしてさらに天井を高くしたので、容積としては大きくなり、実際より広く感じます。
長時間いても密室にいるというストレスがないですね。
また、内装では壁を一面だけ明るい色の柄物クロスにしたので、気分が上がりますね(笑)。夫が退職記念でいただいた赤い時計があるので、非常にマッチしています。
床は一色なのですが、タイルカーペットの向きを交互に配置させたので単調になっていません。これらの提案は田中さんが内装の知識をお持ちだからこそできるのでしょうね。機能性だけではなくデザイン性まで備えた防音室になったと思います。
新築戸建てに憧れの「ドラム防音室」を実現!
【8】沢山あるこだわり!!
防音室に密室感が出ないように、防音扉はガラス窓があるタイプにしました。そうすることによって自然光が入ってくるので、電気を消した時でも真っ暗にならなくて済みます。
また、火災報知器も用途に合わせて2つ設置しました。1つは防音室内で火災が起こった際に他の部屋に知らせるためのもの、もう1つは防音室の外で火災があった際に知らせてくれるものです。
さらに、誰かが来た際に防音室にいてもわかるようにインターフォンも設置しました。細かいことにはなりますが、防音室で過ごす時間が長いと必要な機能かと思います。インターネットの線も引いているので、ここで生活できますね(笑)
新築戸建てに憧れの「ドラム防音室」を実現!
【9】お子様やお孫さんもドラム防音室に大喜び
この家には息子家族も頻繁にやってくるのですが、その度に孫も防音室で楽器を楽しみます。入り口の段差に立って歌を熱唱したり(笑)。
そのうちに楽器も演奏できるようになって、皆がこの防音室に揃って楽しく音楽をやれるようになるといいなと想像が膨らみます。
私も夫や友人の影響で音楽の道に引き込まれていきましたが、これからも夫婦一緒にできることが増えたのは嬉しいです。
楽器も色々とやらせてもらいましたが、実は一番しっくりきたのがドラムなので、これからも地道に続けていきたいと思っています。自宅に防音室があるということを最大限に楽しんで、皆が気軽に集う豊かな場所になっていけばいいなと思っています。
【ドラム防音室の番外編】田中が語る!今回の工事のポイントとは?
防音室工事は「湿式」と「乾式」に分かれるのですが、湿式とは水を使った工事、つまりコンクリートを使った施工になります。
湿式では材料自体に重量があることで遮音性能を用意に高くすることが出来ます。
一方乾式とはコンクリートを使わず浮床構造や二重壁を用いて効果的に透過損失を得る方法です。
私はこれまでもいくつもの木造住宅の防音室を乾式でやっているので、今回も乾式の防音工事を提案しました。
乾式で防音室を設計するには、緻密な計算によって必要な遮音性能を数値として出してから、それに合わせて防振床や遮音壁などの具体的な設計を考えていくことになります。
数値として遮音性能を出すには、私たちが独自に保有するあらゆる楽器のデータや、日本建築学会が公表している研究データや、加えて過去の経験則を考慮に入れ計算していくので、相当「音の性質」を知っていて、施工の経験がないと難しいでしょう。
しかし、これらを正確に出しておかないと、遮音性能が十分出ないリスクに繋がり、とても重要なプロセスになります。
リズムスターの根底にある考えは、手が届かないと言われていた自宅の防音室のハードルを少しでも下げ、誰もがいつでも好きなだけ音楽を楽しむことができる環境を作ることです。
防音室の工事は様々な制約の中で進んでいきます。限られたご予算の中でも、心地よく演奏できる、遮音性能を最大化した環境を提供したい。
数値に裏付けされたデータを元に、知恵や工夫で費用を抑えつつも高性能を保つことが、私たちリズムスターの仕事です。
こちらのお客様も、諦めずにお問い合わせくださったことが本当に嬉しいです。
A様ご夫妻は、完成したドラム防音室を嬉しそうに使ってくださっていて、こちらとしてもほっとしています。
これからも親子三世代、そしてその後まで末長く音楽を楽しんでいただきたいと心から願っています!
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