施工費を抑えてドラム防音室がつくれる!新たな可能性が拓けた!
マンションやアパート、戸建て住宅、店舗、スタジオ、ライブハウスなどの防音室設計・施工を手掛けているリズム・スターです。
数ある楽器の中でも音のエネルギーが強いドラム。
自宅でドラムを叩く場合、その防音には高度な技術と知識が必要で、予算やスペースの都合で難しいケースも多々ありました。
しかし今ではドラムの機能性の進歩、新製品の開発が進み、自宅に持てる選択肢が広がりました。
これまで諦めていた狭小空間やマンションでもドラム防音室が作れる可能性があり、防音工事の施工費を抑えられる可能性が見えてきたのです。
そこで今回は、最新のドラム事情、ドラム防音室の事情を徹底解説いたします。
ご自宅にドラム防音室がほしいとお考えの方は必見です!
ドラム防音室の新たな可能性
【1】音の強さと防音の関係
音の強さの表し方「dB(デシベル)」とは?
音の大きさを表す単位としてよく「dB(デシベル)」が使われます。
dBは、音の振動を圧力で測定し、それを演算して分かりやすい数値に表現したものです。
dBというのは対数なので、
「20 dB落とす防音工事」でも、
120 dB→100 dBにするのと、
60 dB→40 dBにするのとは、全く次元の異なる話になりますす。
120dB→100dBに落とす方が、はるかに難易度が高い。
分かりやすく、エネルギーの比較で説明しましょう。
エネルギーの比率でいうと
120dB→100dBにする場合には、
1京あるエネルギーを100億まで下げます。
つまり、9千9百億のエネルギーを減衰させるということです。
一方で、
60dB→40dBにする場合には、
100万あるエネルギーを1万に下げるだけで良いのです。
同じように「20 dB下げる」と言っても、
こちらは99万のエネルギーしか減衰させてないことになります。
9千9百億と99万、その差は歴然です。
ドラムの場合は115dB~120dBになることもあるので、
1京のエネルギーを40 dB以下、つまり1万のエネルギーまで下げる必要があるのです。
これが難しいために、コンクリートを使ったドラム用防音室などが提案される事があるのです。コンクリートで囲めば施工する方はカンタンです。
ただし建物に相当な荷重がかかり、金額もケタ違いにかかります。
木造住宅の場合、基礎を支える地盤が耐えられない可能性があり、新築時にハウスメーカーからNGが出されてしまったというお客さまがご相談に来られたことがありました。
▽そのお客さまがリズムスターの乾式工法で手に入れたドラム防音室はこちら▽
注意!正しく騒音計測されているか、よく見極めて!
中には室内に設置したスピーカーの正面で測定した値と、外で測定した値を単純に引き算し「これだけ防音できました」と報告するケースがあります。
この評価方法は、完全に間違っており、単純な引き算で防音性能を測ることはできません。
私たちはJIS規格に基づいた
空気音遮断性能の評価方法「JIS A 1419-1:2000」に基づいて、遮音性能を評価しています。
こちらに詳しく書いていますので、ドラム防音室をご検討されている方はぜひ参考になさってください。
ドラム防音室の新たな可能性
【2】防音と距離との関係
音は、距離が長く取れれば取れるほど減衰して伝わっていきます。
例えば東京ドームの1塁側と3塁側の客席で会話することは難しいですよね。
こうした現象を距離減衰と言います。
一方、一般的な居室などは、お互いの距離が近いので会話もしやすいですよね。
楽器で言えば、音のピークまでのスピードも考える必要があります。
打楽器は、音の大きさのピークに達するまでの時間が早く、打撃音は瞬時に110dB程になることもあります。
つまり、室内でドラムを叩くということは、大きなエネルギーが減衰しないまま壁に当たるので、空間が狭ければ狭いほど、その防音工事は難しくなります。
ドラム防音室の新たな可能性
【3】ハイブリッドドラムという新たな選択肢
これまでのドラム防音室の問題と対策
生のドラムと電子ドラムとでは打感、つまりスティックで叩いた時の跳ね方、感触が違います。生ドラムだときちっと跳ねて、その跳ね返りも利用して叩くので、この跳ね感というのもすごく重要なのだそうです。
しかし住環境の問題でどうしても生ドラムの設置が難しい方は、ヘッドホンで聞きながら電子ドラムで練習されています。
電子ドラムなら床の防振だけで済むので手軽だったのです。
ハイブリッド式ドラムという新たな選択肢
生ドラムセットにメッシュ等の消音パッドをつけることで、生ドラムと比べると音の大きさが80%くらいに下がるそうです。
今まではDr65〜70のドラム防音室を作らないと遮音できなかったのが、ハイブリッド式ドラムであれば理論上はDr45のドラム室でも遮音できるということです。
平均110dB出るドラムの場合、80%は88dBになります。
88dB→40dB程に防音室下げる場合、そもそものエネルギーが小さくなるのでDr45のドラム室でも遮音できる可能性があるのです。
これまで電子ドラムでの練習でしっくり来ていなかった、という方にとっては朗報です!
単純に減衰させるべき音のエネルギーが減るので、つまりはドラム用防音施工の費用も抑えられるということです。
その上で生ドラムに近い感覚で演奏できるのですから、良いことずくめですよね。
これからドラムやドラム防音室がほしいとお考えの方は、ハイブリッドドラムを選択肢に加えることで、可能性が広がるかと思います。
電子ドラムのパッドは叩いていると打撃によってパッドがずれてしまう煩わしさも、ハイブリッド式ドラムならそれからも解放されるメリットもあります。
ドラム防音室の新たな可能性
【4】ハイブリッドならマンションでも費用を抑えてドラム防音室が持てる!
マンションにもドラム防音室がつくれる
しかしハイブリッドドラムを採用すれば、非常に現実的に、マンションにドラム防音室を持てる可能性が出てきたのです。
これは本当に朗報です。
ハイブリッドドラムなら生ドラムに近い感覚でありながら、音は小さくなるので室内空間が取れなくてもOK!
防振・防音施工も安価に押さえられます!
マンションの梁の位置など構造によりますが、理論的には2階以上でもドラム防音室を作れてしまいます。
ただし、床の防振はかなり重要なので床の共振周波数が10Hz前後になるよう設計できる会社に依頼をすることが必須です。
マンションの階上にドラム室を作るなんて….ワクワクが止まりません!
生ドラムからハイブリッドにすることで施工費も抑えられる
(2024年4月現在 ※建築資材の値段の変動がありますので、詳しくはお問い合わせください。)
それが先の事例のようなハイブリッドドラムの場合、400~500万弱で防音室の提供が可能になる見込みです。最も重要となる防振の床に割り当てられる費用が、占める割合は大きくなります。
広さと金額と性能のバランスが大事
つまり、「広さ」「金額」「性能」は三つ巴の関係となっています。
一方、お客様のニーズは様々で、
・部屋を広くしたい
・天井をできるだけ高くしたい
など。
そのご要望に応じて3つのバランスを私たちの方で調整します。
例を出すと、同じ家で生活をするご家族への影響も抑えたい場合、世帯内での遮音レベルも確保する必要がでてきます。コストが膨れ上がってしまう要因の一つです。
家族間では多少音場漏れても我慢できるという場合には、近隣他者への配慮に注力し、そちらに費用を集中させコストも抑えられます。
ドラム防音室の新たな可能性
【5】防音をソフト面、ハード面からご提案
深夜の練習は控えるなど、演奏する時間を制限するなどの工夫で対処できるケースもあります。
また、そのようなソフト面の配慮は、快適な音楽ライフを送る秘訣です。
ソフト面からのアプローチを考慮した上で、広さと金額と性能のバランスを考えていくことが、一番コストパフォーマンスが発揮できます。
リズムスターでは、ハードだけでなくソフト面からのアプローチ、アドバイスも欠かさず念頭に置いてご提案を考えています。
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どんどん進化していて、メッシュが入ったシンバルも80%軽減できるそうなのです。
ただし、バスドラムのパッドは消耗が激しいため、定期的な交換が必要なのだそうです。その点の出費が許容できれば、非常に良い選択肢です。
防音に関してまた新たな情報を引き続き発信してまいります。
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