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ピアノの種類で考える!防音工事のポイント

リズムスターは防音室の設計・施工を専門とした、東京の内装工事会社です。
防音工事、騒音対策は「防音室」をつくる事が全てではありません。
日本全国からご相談をいただき、戸建て住宅やマンション、ライブハウス、ダンススタジオ、宿泊施設などでの実績。問題解決の方法をお客さまと一緒に模索しています。

音楽教育は脳を鍛えることにつながると言われています。

東京大学の学生の内、80%は男子学生で、その男子学生の内の60%の方が幼少期に音楽教育を受けていた、という事を調査された方のコラムを読んだことがあります。

つまり、音楽教育は頭の良い子が育ち易いということではないでしょうか。

どんな楽器を学んでいたかまでは不明ですが、教室数の多さから最も多いのはピアノではないかなと思います。和音も使えて主旋律も演奏するという、独りで完結することができる楽器としてピアノは人気があると思います。

では練習環境はどうでしょうか。

自宅で練習する場合、集合住宅にしても戸建てにしても、ピアノの音が外に漏れてトラブルになることは少なくありません。

大草原に住んでいるのならともかく、現代日本の住宅事情では、お子さんにピアノを弾かせてあげたり、そういった子たちの為にピアノ教室を経営したりするためには防音工事が不可欠です。

それでは、いったいどのようにすれば、ピアノの防音ができるのでしょうか?
ピアノの種類と防音工事が必要なシチュエーションについて、考えていきましょう。

ピアノの防音工事が求められる状況

まずピアノの防音工事はどのような状況で考えるのが適切なのかを考えていきたいと思います。

お金がかかるものですから、コストを抑えつつ効果的な方法で遮音をしたいですよね。

せっかくお金をかけても間違った方法を選んでしまったら水の泡。まずはどんなタイミングでピアノの防音工事を行うのが一般的なのかを見ていきましょう。

1.自宅でピアノを始めるケース

音楽は3拍子、4拍子といったリズムがあり、その1拍子(1小節)の中を4分音符や8分音符などで分割し構成されています。

そこで知らず知らずのうちに分数の概念を学ぶことができます。論理性を身につけることができて、物事を説明する能力も学ぶことができるようになっている気がします。

音楽家の方は買い方が多いなというのが筆者の感想です。

さて、ピアノの防音工事となると敷居が高いもの。

一般的な家庭では、最近は性能も向上しているので、サイレントピアノからスタートすることが多くなってきているかもしれません。生ピアノでのレッスンはピアノ教室で行い、自宅ではサイレントピアノで練習、という方が多いと思います。

その段階では防音工事は必要ありませんよね。

ただ、中にはやはり、「自宅でも生のピアノで練習したい、させたい。」というご家庭もあるかと思います。

そうなってくると防音室は必要になってくると思います。

その場合、方法は2つありまして、
①ヤマハ製やカワイ製などのユニット組み立て式の防音室を購入またはレンタル。
②部屋の形状にあわせて防音工事を施工する。

このどちらかになってきます。
それぞれメリットとデメリットがあるので、ここでは簡単にご説明させていただきます。

〇ユニット式の場合
メリット:工期が早く(2日ほどで組みあがります)、使い終わったら売却もできますし、引っ越しなどで移動もできます。
※フリータイプという部屋の形状に合わせてオーダーするものもあるのですが、防音工事との比較なのでここでは割愛させていただきます。
デメリット:部屋を解体しないで設置できるように規格されているため、天井が低く閉塞感がある。サイズに対しての金額が割高。(最近は結構安くなってきてはいますが。)

〇形状に合わせた防音工事の場合
メリット:大きさに対しての価格はユニット式と比較して安く、なによりも部屋の形状に合わせて作るため広く使える。デザインも自由。
デメリット:工事期間が長い(3週間~1か月ほど)。

2.音大生の練習部屋

お子さんが音大生を目指すなど本当にピアノを本格的に学ぶということになると、いずれはグランドピアノが必要になってきます。

受験は落とすためにやるものですから、センスよりも練習量が必要。

音楽は1日休んだら取り返すためには3日かかり、3日休むと7日~10日かかるなどとよく言われますが、毎日8時間ぶっ続けで練習する方だっています。

クラシック音楽をマスターするには高度な技術が必要で大変難しいものですから、相当な反復練習が必要です。

こうなると防音工事をするか、貸しスタジオが必要になってきます。

お子さんが本当に音大を目指して一生懸命にピアノを学ぶのであれば、防音室を自宅に置いた方が結果的にコストも安く得策だと思います。

そもそも論ですが、貸スタジオで毎日数時間も練習するというのは費用面からも現実的ではありませんよね。

3.ピアノ教室を経営する場合

次に考えられるのが、そのような子たちを対象としたピアノ教室を開校するシチュエーションです。

ピアノを習得し、その道のプロになったらピアノ教室を始める方だっているでしょう。

技術が向上してくると音は自然と大きくなっていきます。

ピアノで例えると、正しく打鍵しようという意識が強く、おっかなびっくりとまではいかなくとも、思いっきり自信をもって打鍵することは難しいのではないかなと思います。

しかし上達してくると自信をもって演奏するため、音はどんどん大きくなっていきますから、先生はもちろんですが、生徒さんが出す音の対策のためにもしっかりした防音ができていなければ、近隣とトラブルになってしまうでしょう。

ですからテナントを探して賃貸でピアノ教室をするにしても、自室を改装してピアノを教えるにしても防音工事は必要になってくると思います。

せっかく地域のお子さんの役に立とうとピアノ教室を始めても、クレームを受けて早期に閉校せざるを得なくなってしまわないようにしていただきたいものです。

実際に天井にだけ簡易的に防音工事を施して音楽教室をスタートさせて、1年くらいで閉校することになった事例を聞いたことがあります。

確かに防音工事のコストはかかりますが、それは必要な投資だと言ってもいいでしょう。

どんな違いがある? ピアノの種類別 知っておきたい防音工事の特徴

一口にピアノと言っても前述のサイレントピアノからグランドピアノまでいろいろな種類があります。

それでもご家庭やピアノ教室で使われることが多いのはグランドピアノ、アップライトピアノかと思います。

では、その2つにはどのような違いがあるのでしょうか?

まず、グランドピアノは音を響かせる響板が筐体の下についているのが特徴です。

一方のアップライトピアノは、響番が背中についており、音の出る方向が違います。壁にアップライトピアノを密着させた場合、壁面にむかって音がでるというイメージです。

両者は構造が違う上、重量も異なります。

サイズにもよりますがグランドピアノならばおおよそ330~500kg、アップライトピアノは200~250kg程になり、この重さの違いも含めて防音室を設計していきます。

防音室を設計する場合で考えてみます。

ピアノは固体振動がピアノの脚を通じて床に振動が伝わる楽器です。つまり固体伝搬が発生し、音が近隣に伝わりやすくなります。

そこで防音設計に於いて、防振ゴムによる浮床で床全体を浮かせ防振させます、これは荷重がかかることでゴムが圧縮され、防振効果を発揮します。

適切な工業用防振ゴムを選定しなければ全く効果を得られないため、荷重、使用条件等に応じて防振ゴムの硬度や形状、グレードを選考します。

例えると、乗用車とダンプカーでは用いるサスペンションが違いますが、それと同様の考え方です。

また、少し話は変わりますが、防音室の建築ニーズには「多様な楽器を演奏したい」というご希望もあります。例えば「グランドピアノでもドラムでも使えるようにしたい」などです。

防振浮床を設計する際に、シチュエーションによって全体の重量に変動がする可能性がある場合は、慎重に計画する必要があります。

そういった防振の対策を講じたうえで、必要に応じた天井・壁・床の材質などを検討していきます。

ピアノ用の防音設計に入る前に

ピアノを家庭で弾くためには防音工事が大切なことはおわかりいただけると思いますが、その前に大切なことがいくつかあります。

それは、ハードではなくソフトの部分。工事の前に考えられる対策です。

それはどこにピアノを配置するかということです。

防音室と隣り合う部屋が寝室になるよりも水回りやリビングに隣接するように設置すれば、夜遅くまで練習したい場合、ある程度の遮音性能を発揮すれば、迷惑と感じる人がいませんから、防音室を作る上で有利ですし、その分コストも抑えられます。

リビングは一般的に家族がいて滞在時間に会話をするものですし、テレビの音などもあったりします。特定の音源以外の騒音を指す「暗騒音値」が高いため、シーンと静まりかえった寝室よりも家族に迷惑がかかりにくいという特徴があります。

また、角部屋ならば外壁側に設置するというように配置を検討することは非常に有効ですし、必要な検討項目です。

戸建てならば隣接している住居から最も遠い場所に設置することが望ましいでしょう。

南側に窓がある部屋は寝室になりやすく、そうなると北側にピアノを置くと遮音性能を上げるなど、北側の住居に対して対策する必要が大きくなってきます。

また、もう一つ大切なポイントは換気の計画です。

どこに換気させるかを最初から検討しておくことはとても大切です。

防音室は気密性が非常に高い為、換気設備は絶対に必要となりますから、その対策を最初から検討しつつ計画を練ると良いと思います。

そして最も重要な項目がピアノの搬入経路です。

ピアノはとても大きな楽器なので、せっかく防音室を作っても防音室に搬入できなければ意味がありません。

以上のように、ソフト面も十分に検討し、後々困らないように予め計画を行うことはとても大切です。

防音工事の前に 近隣の人との人間関係を意識して

近隣の方が苦情を言いやすいような関係をつくっておくことが出来れば、大きなトラブルを回避できる可能性もあります。

これは難しいかもしれませんが、場合によっては簡易な防音工事で済む可能性があります。

昨今、マンションでは隣の方がどんな人かもわからないこともありますが、ピアノを弾くのなら挨拶をきちんとするなど、近隣の方が気軽に苦情を言えるような関係を作ることを心がけておくといいでしょう。
もっとも、最初から防音室を作って対策しておけば何も心配する必要はなくなりますが。

音の問題は非常にナーバスです。

不満が溜まりに溜まって大爆発!という状態は大きなトラブルに発展する危険があります。

日頃から顔を合わす機会がれば「うるさくないですか?」と挨拶するなどコミュニケーションをとっておくと良いかもしれません。

しかしながら、「私の家は隣のご夫婦が共働きで日中は誰もいないから大丈夫」と思われる方もいるかもしれませんが、マンションでは引越しで住む方が入れ替わる可能性もあります。
隣人が変わるリスクを考えて、防音対策は意識しておきたいですね。

ピアノの防音工事をしない場合 音はどれだけ漏れるの?

ところで防音工事をしなかった場合で比較すると、音はどれだけ漏れるものなのでしょうか?

遮音性能を説明する際には「Dr値」という指標を用います。

下記は、「木造住宅A」から、隣接する「木造住宅B」にどの程度音が漏れるのかを示した図です。

一般的な木造住宅の構造では、外壁の遮音性能はDr30程度。開口部の窓部分はそれ以下です。

単純な説明にはなりますが、例えば窓の性能がDr20だった場合、防音対策をしていない「木造住宅A」から、ピアノ練習で100dB程の音が発生していた場合、「木造住宅B」の室内には60dB程の音が入ってきてしまう計算になります。

60dBの音圧というと普通の会話の音量くらいの音が隣の家から入ってくるというイメージをしていただけると良いでしょう。当然苦情が出ると思います。

計算上、何も防音対策をせず木造住宅でピアノを弾くのでしたら、家と家の間が十分な距離がないと隣の家の室内に音が入ってしまうことになります。

一方、一般的なRC造(鉄筋コンクリート造)の壁の遮音性能はDr50程度です。

防音工事は専門的な言葉で言うと、「透過損失を得る」という行為です。

このように、RCでも防音対策しなければ100dBの音が出るピアノを演奏した場合、約50dBの音が伝搬してしまうということですね。

実際はもっと複雑でこのように単純な話ではないのですが、近隣にどの程度の音が聴こえてしまうのかを理解し、それを解決できる防音対策をすることがとても重要です。

DIYでもできる? ピアノの防音工事の種類

また「自宅でピアノを弾きたいから何かしらの防音対策を」と考えた時、DIYを選択肢に入れる方もいらっしゃると思います。

昨今はインターネットでも様々なものを買うことができますから、「ピアノの防音工事くらい、自分でできるはず」という発想もあるでしょう。

それではどのような種類があるか、そして本当にDIYで防音工事ができるのかを説明していきます。

1.吸音マット

吸音材を壁に張ることで遮音効果があると思われがちですが、この方法はその部屋の中では吸音され音が小さくなっている感覚がありますが、実はほとんど透過損失は得られません。

結果的に本人だけが「防音できた気になっている」という状況になりやすいのでご注意ください。

受音側(お隣の世帯の方)の部屋内にマットを使えば透過損失を得ることはできます。

引っ越し前のマンションの物件を見に行った時「結構隣の外の音が気になるかも」と思って入居したが、家具を置いたらあまり音が気にならなくなったという経験はないでしょうか?

これは家具や荷物が吸音してくれているからです。

吸音マットを使うのはこれと同じ理屈であって、ピアノを弾く部屋ではなく、その隣の部屋や近隣の住居で用いる必要があるということを理解しておきましょう。

実際は、これは現実的ではないですよね。

2.遮音シート

遮音シートは1.2mmや2.0mmの厚みのあるシートです。

遮音性能を上げるという効果が無いわけではありませんが、これはどちらかというと壁が共振したときに落ち込む特定の共振周波数を抑えるために用います。

「これを貼れば遮音性能が上がるので安心」というほどではないので、ご注意された方が良いでしょう。

また一つ覚えておいていただきたいことは、40dBを20dBにするのと、100dBを80dBにするのは、同じ20dBの遮音でもわけが違います。

エネルギー値が大きくなればなるほど、透過損失を得るのは大掛かりになります。

3.ベニヤ板や石膏ボード

また、何枚もベニヤ板や石膏ボードを層にして壁に貼るといった施工ですが、ある一定の枚数に達するとそれ以上の効果が薄くなってきます。

やっても意味がないとは言えませんが、手間とお金をかけても劇的に性能があがる分けではないのでご注意ください。

ピアノの防音工事に有効なのは防振架台

ピアノの防音工事に、防振架台を使うことがあります。

これは先にご説明した防振ゴムによる浮床です。

荷重をかけて振動を制御することで、遮音するものです。

リズムスターではオーダーメイドでこの防振架台を制作しています。

同様の効果を持つものに「インシュレーター」というものがあり市販されていますが、ピアノに合ったものでなければ高い防振効果を出すことは難しいと言えます。
「無いよりはまし」という程度でしょうか。

オリジナルで制作した場合、防振架台だけで防音工事が完結した事例がありました。

防音工事に万全を期すのなら防振床の共振振動数が20Hz以下になるような防音室をつくる

ちょっと専門的すぎるかもしれませんが、床の共振周波数が20Hz以下になるように作ることが望ましいです。

モノにはすべて固有の振動数があります。

その振動数と共振してしまうとその周波数の音が抜けやすくなります。チューニングで使う音叉はこの振動数が440Hzで共鳴現象を起こし音が鳴るように作られています。

ですので、床は最も振動を伝えやすい部位ですから20Hz(人間の耳では捉えられない音域)以下になると、ピアノから発生する固体振動による伝搬があっても聴こえにくくなります。

上記の防振架台はそのように設計し振動を抑えた結果、目的を達成したというケースです。

防音対策の多くの目的は、音を止めきることではなく、周囲に迷惑を掛けないことだったりします。最高品質の防音室を作ることだけが答えではありません。

予算に合わせた最適な提案をしてくれる施工会社を探しましょう!

リズムスターに相談できること

私たちは、難易度の高い防音室の設計・施工を数多く手掛けてきています。

特に音楽家の方々の力になりたいと強く願っています。

楽器の防音対策に特化しているのが強みですから、ピアノ教室を開きたい方、ピアニストとしてのプロフェッショナルを目指す方に寄り添い、ご相談を承っております。

また、音楽教室やライブバーをつくる際には、テナントを決める前にご連絡いただくと良いかもしれません。

物件の条件は立地や周辺環境からしっかり吟味する必要があります。

どんなエリアなのか、近隣の状況を確認し、営業を続けられそうな条件かという観点で、現実的に防音工事ができるのかなどアドバイスさせていただいております。

お気軽にご相談いただければ幸いです。

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