電車の振動も騒音もない!高架下物件の防音室工事事例 ストレッチ専門店と防音室を両立させた防音工事とは
ピアノ室やドラム室、ダンススタジオや音楽教室、ライブハウスなど、各種防音室設計・施工を手掛けるリズム・スターです。他社で困難と言われた防音工事のご相談を、全国各地よりいただいております。
弊社のサービスは、防音室をつくることだけではありません。
防音施工により、お客様のお困りごとを解決することです。
音楽家の悩みの一つが、好きな時に練習できないことです。
特に東京など首都圏では、防音室が完備されていない限り自宅で演奏することは難しいでしょう。
私たちは、その音楽家の悩みを解決するため、日々、練習環境を増やしていく活動をしております。
今回は、音楽家向け賃貸マンションを手掛ける不動産会社「ソナーレ様」からのご紹介で、スタジオをつくらせていただいた事例です!
株式会社マウントフジミュージック様よりご依頼をいただいた
https://mtfujimusic.com/
「音ラク空間様」(東京都江戸川区西葛西)のピアノ・管弦楽器用防音室の施工事例を紹介します。
https://onraku-kuukan.com/
音ラク空間は、音楽とリラクゼーションで「楽しいひととき」「癒しのひととき」をお客様に提供。
音楽スタジオ、ストレッチ専門店を併設している珍しいお店です。
電車の高架下にある物件ということで、各種手続きも難しい部分もありましたが、施工主様には大変ご満足いただきました。
どんな物件で、どのように防音施工を進めたのか、解説します。
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防音室工事の事例
【1】今回はどのようなご依頼でしたか?
田中:ピアノや管楽器・弦楽器を中心に様々な楽器の演奏がストレスなくできるような防音室をつくってほしいというご依頼でした。今回は物件として、鉄道駅高架下ショッピングモールの中の物件という特徴があったので、いろいろな部分で配慮を重ねました。
東京メトロ東西線が走っている西葛西駅の高架下です。
そこに入っている店舗は通常電車の騒音や振動が室内に伝わってきます。今回はレコーディングも行うスタジオのため、電車の走行音が入ってこないよう対策を考える必要がありました。
また反対に、真上には保育園があって、特に園児がお昼寝をしている時間帯に楽器の音が漏れるのは避けなければなりませんでした。
防音室の隣が事務所として使用する部屋で、そちらには多少音が漏れても良かったので、オーナーさんと細かくやり取りをしながら、内装工事を進めていきましたね。限られた空間の中で様々な制約もあったのですが、最大限の空間は確保しながらも、防音性能が高い部屋をつくることができたと思っています。
ほかの特徴としては、東京メトロ様が管理している物件だったので、消防関係や電気や空調設備などの縛りが一般の物件よりも厳しかったことですね。なので、手続きも複雑でしたが、事前の調査もしっかりやって、消防署とも丁寧にやり取りができたので、工事自体は滞りなく順調に進みました。
防音室工事の事例
【2】今回の工事でこだわった部分はありますか?
田中:床の防振工事です。
線路の下の物件は振動が大きく、振動に比例して入ってくる音も大きくなっていきます。
振動を防ぐために、浮床をつくり、防音室全体を浮かせているような状態にしています。
床の防振は、共振周波数を10 Hz(ヘルツ)前後になるように設計をしています。
10 Hzは、人間の耳では基本的に聞こえない周波数です(※人間の耳の可聴域は20〜20,000 Hzと言われている)。
ロックウールなどにベニヤを重ねた手法で防振工事をしている防音工事業者さんがいますが、それだと防振効果は低いと思います。
防音室内壁から伝わった振動を躯体床まで防ぎきれない為です。
全ての振動を支える防振床の性能が悪いと、天井や壁で施した防音力が発揮しきれず非常にもったいないです。
また、防音室とストレッチをする施術のスペースの使用時間が被ったとしても音漏れさせず、それぞれの営業に支障が無いように配慮する必要があり、限られたスペースの中で必要な面積を確保しながら、目的とする遮音性能を発揮できる計画が求められました。
防音室工事の事例
【3】実際に防音室工事を依頼したオーナーさんに、お話を伺いました!
オーナー様プロフィール
藤井裕樹(ふじい・ひろき)さん
株式会社マウントフジミュージック代表取締役
1979年大阪府生まれ。19歳でトロンボーン演奏家として、プロのキャリアをスタート。職業演奏家として、国内外の多くのジャズアーティストと共演するほか、東京ディズニーリゾートでのパフォーマンスや、大塚愛、及川光博、関ジャニ∞、渋谷すばる、ナオト・インティライミ、矢沢永吉などのJポップ、ロックアーティストのツアー・ライブサポートや、CDレコーディング、CM音楽のレコーディングなど、幅広く活動。
仕事の経験を生かし、楽器可物件の不動産会社や音楽事務所、個人の音楽家のコンサルティングも行っている。
防音室工事の事例
【4】音楽とストレッチを掛けあわせたリラクゼーション
藤井さん:私が言うのも何ですが、こうしたリラクゼーション施設は聞いたことがありません。
ストレッチ専門店は音楽家時代に通っていたこともあり、とても効果を実感していました。
「音楽家のカラダのメンテナンスの役に立ちたい」という想いと、
「コロナ禍のステイホームで少し弱っている、私の父親世代の人たちをより健康にしたい」という想いで始めました。
オープンは2022年3月15日で、「サイコー」な日!
防音室の広さは8㎡で、約5畳分の広さになっています。
今回は音楽以外の事業に参入し、私なりの挑戦です!
通ってくださるお客様も増え、非常にご好評いただいています。
防音室工事の事例
【5】防音室工事の発注では、どのような点を重視しましたか?
藤井さん:私がコンサルタントとして関わらせていただいている、音楽家向け賃貸マンションを手掛ける「㈱ソナーレ」という不動産会社さんがあり、そこの社長から田中さんをご紹介いただきました。即決でお願いしました。
過去に何度もプライベートスタジオを利用していた経験があったのですが、天井が低かったり、音を吸収しやすくあまり響かないスタジオもありました。
そのようなスタジオは個人として使う分には問題ありませんが、今回の防音室では音楽教室兼レンタルスタジオにするつもりだったので、いろんな楽器の演奏を想定してつくらなければなりませんでした。
私自身はジャズやポップスが専門ですが、クラシックの演奏家や先生の利用も考えられます。
皆さんに気持ちよく演奏してもらいたくて、「このスタジオは響きがいいな」と思ってもらえるような防音設計をお願いしました。
田中さんは当初、壁に音響パネルを設置することもご提案くださったのですが、音響は防音室ができてから可動式の吸音材などを置き、演奏する人たちが自分たちで吸音具合をコントロールできるようにしています。
後から響きを抑えることはできますが、大きくしていくことはできないので。
そういう意味では、かなり難しい注文だったようです。レッスンとして使うときもレコーディングとして使うときも想定していますし、私の思い描いているこだわりの防音室を忠実につくり上げていただきました。
防音室工事の事例
【6】真上を電車が走っていますが、遮音はどう感じられますか?
藤井さん:今この時も防音室の中でインタビューを受けていますが、全く電車の音は聞こえないですよね?
この間にも何本も電車は走っているのに、振動も感じません。想像以上のクオリティに驚いています。
防音室の隣はストレッチの施術スペースですが、防音扉を2枚設置してくださったので、音漏れはありません。
私が演奏するトロンボーンという楽器は比較的音が大きい楽器ですが、施術を受けているお客さまには演奏は全く聞こえていません。
ここにスタジオがあることを知って、ビックリしているお客さまもいらっしゃいました。まさか隣の部屋でトロンボーンを演奏しているとは…思ってもみなかったようです(笑)。
この場所でレコーディングをするときのことを心配していましたが、全く問題なさそうです!
防音室工事の事例
【7】防音室施工中のコミュニケーション
藤井さん:今回、防音室だけでなく、店舗の内装工事も全てお願いしました。
私にとっては最高の対応でした。見積もり時から補助金申請のやり取りなど、私が分からない部分も丁寧に教えてくれたり手続きをしてくれたり。非常に助けていただきました。
ここは東京メトロさんが管理する物件だったので、消防関係の厳しい規則にも対応してくれたのはありがたかったですね。私はその辺は素人でしたが、進捗状況もきちんと報告していただいて、本当に根気よくやってくださったと感じています。
防音室工事の事例
【8】リズムスターに依頼して良かった点
藤井さん:田中さんは美大出身というところもあって、職人としてのセンスだけでなく、アーティスティックな感覚も理解の深い方です。
例えばアクセントとして、「壁の色をちょっと変えてみませんか」「床もこんな感じにするとオシャレになりますよ」などと、防音以外の部分も提案してくれました。
こちらの要望をただこなすスタンスの業者だったら、もう少し地味なつくりになっていたと思いますね。
あと、田中さん自身が音ラク空間に対する想いを持って工事をしてくれたのは何より嬉しかったです。ビジネスライクな感じではなく、私の想いを汲んでくださり、田中さんも最高の空間をつくろうと一生懸命知恵を絞ってくれました。
リズムスターにご依頼して本当に良かったと思っています。
私にとっては新しい事業だったので、未知の部分も多くて不安がなかったわけではありませんでしたし、高架下という難しい物件は田中さんにとっても挑戦だったと思うのです。
私も演奏のプロなので、ある程度は音響のことは分かっていたつもりでしたが、やはり「音響のプロ」である田中さんの言葉や提案は、どれも納得できるものばかりでした。
今後は防音スタジオを若い音楽家や、アマチュアの音楽家の方々に提供していきたいですね。興味のある方は、ぜひ見学や試奏にいらしてください。
防音室の施工事例を最後までご覧いただきありがとうございました!
防音室の施工をご検討されている方、また騒音でお悩みの方、お気軽にお問合せいただけましたら幸いです。
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