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オーディオルームの施工と費用!通常の防音室施工と違う?

マンションやアパート、戸建て住宅、店舗、スタジオ、ライブハウスなどの防音室設計・施工を手掛けているリズムスターです。

私たちのところに寄せられるご相談の多くは、「自らが音楽を奏でるための防音室」をつくりたいというものですが、最近では「良質な音楽を聴くための防音室」がほしいというご相談もちらほらいただきます。

そこで今回は、より広い意味で音楽を楽しむための部屋、「オーディオルーム」について施工の注意点や費用などについて解説していきます。

オーディオルームの施工と費用
【1】オーディオルームとは? 用途は?

インタビュアー
オーディオルームとは具体的にどのようなものでしょうか。
田中
まず「オーディオ」という言葉の意味についてご説明しますね。
オックスフォードの解説では「音声・音響の、録音・再生・受信など。また、その装置。」と書かれています。
「オーディオルーム」とは、まさにこの「オーディオ」のための部屋、つまり音響や音声を聴いたり録音したりするための部屋のことであり、室内に音響と防音の両方が施されています。

田中
オーディオルームとして一部屋を設ける以外にも、ホームシアターとしてリビングなどに作る場合もあります。
インタビュアー
オーディオルームにはどのような用途があるのですか?
田中
用途としては大きく二つあります。
一つは音楽家が自ら奏でる楽器の音を最適化された状態で聴くためです。もう一つは、鑑賞者となって最適な音響で音楽や映画を楽しむためです。
いずれにしても室内の音が外部に漏れないようにするためには防音も施さなくてはなりません。

……ここまではオーディオルームに対するオーソドックスな理解で、既にご存じの方もいるかと思います。しかし、これだけでは十分な理解とは言えません。

実はもう一つ、オーディオルームにとって重要なことがあるのです。

それは外からの音を遮断すること。つまり、音漏れ対策ではなく、室内に外の雑音が入らないようにすることです。

というのも、オーディオルームをご希望されるお客様の中には、自らの演奏した音楽やパソコンなどで制作した音楽を聴いたり、人によってはレコーディングスタジオとして利用する方もいらっしゃいます。

録音はAir録りの場合は特に繊細な作業であり、雑音が入ることは好ましくないので、可能な限り外からの音を遮断するようにします。

田中
そう考えると、オーディオルームは音響と室内から出る音の防音、そして外からの音の遮音という3つが備わった部屋ということになります。

オーディオルームの施工と費用
【2】空調換気の取り扱いには注意!

インタビュアー
オーディオルームをつくるにあたり、注意すべき点などはありますか?
田中
リズムスターはこれまでに数々の防音室やオーディオルームを手がけてきましたが、設計の段階でお客様が意外と見落としがちな点として“空調換気”があります。
空調換気は空気の通り道なので内と外が繋がっており、それはつまり音が漏れる要因にもなり得るということです。

田中
空気の通り道として、換気扇などがありますが、特にリビングやダイニングのような生活空間をオーディオルームにする場合、レンジフードからの音漏れに要注意です。
対策としては間仕切りまたはサッシなどで、一旦音を遮断する機能を持たせる事になると思います。

インタビュアー
音漏れ以外にも問題となり得る点はありますか?
田中
もう一つ、オーディオルームは「静粛性」を強く求められる場合があります。
そのようなケースでは空調換気の問題として空調や換気扇の稼働音、風切り音などがあります。

オーディオルームのように防音・遮音性がしっかりと備わった状態になると、より、そのような音が際立ち、気になります。

こちらに関しても、様々な方法がありますが、弊社ではオリジナルの防音換気扇を推奨しています。何をやるにしても費用は発生するので、工事の優先順位を見極めてから決めると良いかと思います。

インタビュアー
オリジナルの防音換気扇があるのですね。
田中
以前、ご自宅にドラム防音室をつくったお客様のケースで「防音換気扇」を設置しました。その後、「音がしない、動いていないのではないか?」と、連絡があり、再度よく確認していただくと、「ティッシュをかざしたら換気扇の風でなびいていた、動いていて、あまりに静かで驚いた」とおっしゃっていました。

それほど静粛性の高い優秀な換気扇なのです。
また、ドラムの非常に大きな音も外に漏れていかないように遮断できるため、弊社ではよく設置しています。

オーディオルームの施工と費用
【3】施工事例①〜雑居ビルの地下にライブハウス

インタビュアー
空調換気に防音を施した施工事例を教えてください!
田中
ライブハウスの施工事例になります。
とある雑居ビルの地下にライブハウスをつくることになったのですが、前に入っていたテナントが騒音問題でたびたび近隣から苦情がきていたとのことで、最初から厳重な防音対策が求められていました。

そのライブハウスは飲食の提供もあるので、厨房の大きな換気扇がありそこからの音漏れが発生します。そこで換気扇と外の換気口が繋がるダクトを防音仕様に改修し、ほとんど音漏れのない状態にまですることができました。

ライブハウスがオープンしてから、音漏れによる苦情は届いていないようです。
特にお隣にお住まいの方が、お仕事で朝が早い方々だったため尚更慎重にプランニング、施工にあたりました。

防音工事のおかげで音楽と飲食の両方が楽しめる理想的な空間になったと思っています。

オーディオルームの施工と費用
【4】施工事例②〜木造2階建にオーディオルーム

インタビュアー
ご自宅にオーディオルームを作った施工事例についても教えてください!
田中
ハウスメーカー施工の木造2階建ての住宅にオーディオルームを作ったことがあります。
その家は屋根裏の空間も利用し、天井を高くしました。施工した部屋も大空間だったので、音響的には好条件でした。

オーディオルームの施工と費用
【5】ヒアリングが命!理想的な進め方

インタビュアー
オーディオルーム工事を進めるにあたり、特に留意すべき点はありますか?
田中
これは今までの経験から身をもって感じていることですが、工事が始まる前のヒアリングをとにかく念入りに行うことです。オーディオルームはヒアリングが命と言ってもいいのではないでしょうか。
ヒアリングによって、オーディオルームを作る目的や用途などを確認し、さらに絶対に譲れないことや機能や性能に関する優先順位なども引き出します。
インタビュアー
お客様自身も相談の段階では明確になっていないこともありそうですね。
田中
そうなんですよ。オーディオルームを希望されるお客様の中には音響に詳しい方もいらっしゃいますが、例え音楽家であっても“音響工事”に関しては素人である場合がほとんどなので、こちらが想定し得る可能性を細かく伝え、その上で工事内容を決めていかないといけません。
演奏目的であれば使用する楽器や演奏ジャンル、音の好みなどをお聞きし、映画や音楽鑑賞を楽しむ目的であれば映画や音楽のジャンルや鑑賞する時間帯、聴きたい音の種類など、とにかく事細かにヒアリングします。

田中
工事が終わった後で、「やっぱりもっとここはこうしたい」など追加の工事をご希望されることもありますが、後から追加する場合、無駄が発生してしまうため、そうならないためにも事前にお客様と密にコミュニケーションをとって、潜在的な希望まで引き出すようにしています。

オーディオルームの施工と費用
【6】ご相談はリズムスターまで!

インタビュアー
リズムスターは防音室だけではなく、オーディオルームに関しても対応可能ということですね!
田中
もちろんです。防音室とオーディオルームは共通する部分も多々あるのですが、注意すべき点や設計手法などは若干違います。
リズムスターではお客様のご希望やご要望を最大限に引き出すために、事前に念入りなヒアリングをしてお互いが納得してから工事に取りかかります。
オーディオルームや防音室をご希望されている、あるいは興味のある方は、ぜひお気軽にリズムスターまでご相談ください。